【続】酔いしれる情緒



もちろん。その予感は的中して



「なんでもっと前に伝えられなかったんだろうって、今日……結婚してることを知ってまた後悔した。
あの頃伝えていれば、俺に勇気があったら。
少しでも……俺を男として、意識してくれたか…?」

「………………」



この時…なんて返すべきなのか悩んでしまった。


黙る私に佐藤くんは申し訳なさそうな顔をする。



「…………ごめん。こんな話、安藤からすれば迷惑なだけだよな……」



ゆるりと離された腕。

私は掴まれていたその部分に手を当てた。


前の私なら……どう答えたんだろう。

高校生の頃は恋愛とか興味がなかったし、そういった感情なんてなくても困らないものだった。


でも今は?

自分でも驚く程に『あの男』にのめり込んでる。

意識するはずがないと思っていた相手に
驚く程に早いスピードで意識しては堕ちた。


恋愛なんて興味がなかった私が
その時に初めて男を意識したのだ。


そうなったわけを今まで深く考えたことはなかった。


けど、今になって。

佐藤くんに想いを伝えられた今になってからそのわけを理解する。

告白されることも、触れられることも、
私にとっては春が初めてだった。



そして────今。



「意識…していたと思う」



私は、佐藤くんを男として意識したのだ。