【続】酔いしれる情緒



「あ、いや、幻滅したとかそんなんじゃなくて…」



慌てふためく佐藤くん。

だけどすぐに視線を外し、落ち着いた口調で言った。



「……高校生の頃、誰かが好きとかそういうの全く興味無いって感じだったから…意外だなーって」



その言葉に私は小さく首を振る。



「私も………自分でも、驚いてる。」



ただ1人。

春という、この世でただ1人の人に。



「……こんなにも依存するなんてね」



窓越しに外を眺めてため息をつく。


その吐息が窓に当たると窓は薄らと曇った。



「……じゃあそろそろ行くね。ここまでありがとう」

「あ、うん。気をつけて」



バタンと車のドアを閉めると、佐藤くんも同じように出てきて「安藤っ」と私の腕を掴み呼び止めた。



「ん?」

「あの…さ。このタイミングでって思うだろうけど…どうしても、伝えたいことがあって」

「…………うん」



声の感じ、口調とかで



「俺、安藤のこと好きだった。」



佐藤くんが今伝えたいことを
先に感じ取っていた。