「仰った通り、あなたが私にしたことは許されることじゃありません。私が苦しんだ分、一花さんにも苦しんで欲しいと思ってます。」
「っ………」
「けど、もういいです。」
「え……?」
「春に何を言われたのか分かりませんけど、あなたの顔を見る限り、今あなたがどれほど苦しいのか傷ついているのか分かりましたから」
「許して…くれるんですか…?」
「ええ。」
未だボロボロと大粒の涙を流す一花さんに
私は緩く笑って見せた。
殺されかけたというのに簡単に許してしまうなんて。ちょろい奴だと思われても仕方がない。
彼女も役者。その泣き顔が演技だったとしたら、私は騙されたことになる。
だから
「一花さん」
「はい…?」
顔を上げた一花さんの 首へ
あの時されたみたいに
両手でそこに触れて、包み込む。
どこか怯えた顔をする彼女を真正面から見つめて
目を合わせて
ニコリと笑って私は言う。
「一花さんの首って細いんですね。私でも簡単に掴めちゃうし」
「っ」
小さく後退りした一花さんを逃がす訳もなく、私はその手にクッと力を入れた。
もちろん殺しはしない。
本気で首を締めようとは思ってない。
けど同じことをされたのだ。
「今後また私達に構うようなら……今度は私がアナタの首を絞める。」
少しくらい脅したって構わないでしょう?



