「なっ…」
今度は一花の唇に血が滲む。
この時の一花さんは怒っているのか悲しいのかよく分からない顔をしていた。
ただ、
私を見る、その目は
また殺意の目。
さっきまで彼女の視界に映ることがなかった私が今になってようやく存在を認知されたらしい。
「ああでも、動画は見たくないなぁ」
彼女と視線が合う中で春がその間に入り込む。
不敵な笑みが、瞳いっぱいに映り込んだ。
「そんなの見ちゃったら、もう誰にも触れられないように……足枷でも付けて監禁しちゃうかも。」
彼の独占欲も異常な程。
浮かべる表情は爽やかでありながらも、発言は恐ろしい内容。
けどそれが嬉しいと思えてしまう私も異常だ。
足枷なんて絶対に嫌なのに春が相手だったらそれもありかも、なんて。
普通の人ならそんな発想にはならないだろう。
(言えば本当に付けられそうだから言わないけど)
冗談っぽく聞こえても春の場合は意外と冗談じゃなかったりする。
発言のほとんどが本気と書いてマジなことが多い。
だからこそ
「もしくは…」
春の目が、一花さんの方に。
「凛に関わる奴をこの世から消す。」
春の目つき、口調。
私を引き寄せる腕の力。
そこから実感する1つのこと
「どっちがいい?
その動画を消すか、ここで消されるか。」
春のその発言は本気(マジ)なのだ。



