「だ……騙されてる!春知らないの!?この女が浮気してること!!その証拠だってあるんだから…!」
「証拠って、コレだろ?」
顔を引き攣らせる一花さんが私達の元に歩み寄ってくると、春は前にあの写真を掲げた。
私と佐藤くんのあの場面の。
「最低だと思わないの!?春がいながら浮気なん…」
ずっとヒステリックに叫んでいた一花さんの口がピタリと止まる。
春が、あの写真をビリビリに破り捨てたからだ。
パラパラと細かくなった写真の切れ端が床へと散らばる。
「そ、それ以外にも動画だってあるんだか「消せ。」
春の低い声が部屋に響いた。
その言葉の矛先は私じゃないのに、声を耳にしただけでも背筋がぞくりとするほど。
春の背から少し見える一花さんは
恐怖でなのかキュッと唇を噛み締めていた。
「あんな写真をポストに入れて何がしたかったわけ?
もしかして、俺達の仲を悪くさせようと?
それとも────」
春は呆れたように笑う。
「俺が凛を嫌うとでも思った?」
「っ…」
「逆だよ。」
春の腕が私の肩にまわると引き寄せるように春の胸元へ連れ込まれた。
「っ、んっ…」
切れた唇を指で撫でられ、軽い痛みに私はピクリと顔を歪める。
そんな表情を真っ直ぐ見下ろしながら春は口元を弧にさせた。
「寧ろ、もっと依存した。
もっともっと、俺だけの色に染めたいと思ったよ」



