「凛怒ってる…?」
「まあちょっと」
こうなることを避けたくて家にいろと言ったのに
結局避けられず、騒ぎになってしまったし。
「ごめん…悪気はないんだ」
「……………」
スリ…っとどこか甘えるように私の手を撫でてくる。
「言われた通り家にいるつもりだった。
けど、凛が今あの男に会ってると思うと いても立ってもいられなくて…」
そのまま手をギュッと強く握られて。
「重い男でごめん」
街灯によって照らされる街並み。
少し薄暗い車内で視線を交じり合わせる私達。
色素の薄いその瞳が
揺れることなく
真っ直ぐ私に向いている。
そんな彼から嫉妬や独占欲を感じられた時
なんとも言えない感覚が心にも身体にも広がって、ゾクゾクして。
素直に嬉しいと、にやけそうになるのを我慢した。
重い方が良い。
なんて言えば、また橋本に呆れられそうだ。



