「じゃあそういうことだから」
そしていつもの声に戻った、かと思えば。
「わ…!」
春は私の腕を取って走り出す。
前のめりになりつつも必死にその後を追う私。
後ろからキャーキャーと騒ぐ声がして、一瞬ちらりと振り返ってみれば、私達の後を追う人達が大勢いてゾッとした。
めちゃくちゃ追ってきてるし!怖い…!
あの大群に万が一捕まってしまったら私はボコボコにされてしまう気がする。
恐ろしくて自ら春の手をギュッと握ると、春は小さく笑った気がした。
店を飛び出すとスグ目の前には大きめの車が止まっていて私達はそのまま後部座席に乗り込んだ。
「先入って!」
「わっ!!」
なんだかもう、なだれ込むように。
後部座席、それから助手席の方のドアが閉じた途端、その車は走り出す。
はぁ…と荒れた息が広がる車内。
私と春、それから……助手席にいる橋本。
ハンドルを握って華麗に運転する由紀子さん以外はみんな全力疾走した後みたいに息が荒れていた。
まあその通り全力疾走したんだけど。



