【続】酔いしれる情緒


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夕方、駅近くのカフェにて。


仕事終わりの人や学生。ファミリーが揃うこの場所では、至る所から楽しげな声がする。


だが。



「………………」

「………………」

「………………」



私と橋本、それから佐藤くんがいるこのテーブルだけは……他とは違って静けさが広がっていた。


なぜこの変な組み合わせでカフェにいるかというと、



「ごめんね、佐藤くん。

仕事終わりに急に呼び出しちゃって」


「いや…全然。(寧ろ安藤に会えて嬉しい)けど…旦那さんもいるとは思わなかったよ」



私の隣にいる橋本へ

ちらりと視線を向ける佐藤くん。


そう。私が橋本にお願いした頼みは『私の結婚相手として付いてきてほしい』というもの。


佐藤くんと2人っきりになれば
また写真を撮られてしまうかもしれないから。


盗撮のカバーとして、橋本を呼んだ。



隣にいるのは春でも構わないけど、


ここは至って普通のカフェで、人の目も結構あって、尚且つ変装してもオーラを隠しきれない春には不向きだ。


しかも佐藤くんは未だ橋本が私の結婚相手だと勘違いしているし、本当のことを告げればその後の説明とかややこしいし……



「旦那がいると何か不都合でも?」

「いや……そんなことないです」



始めはあまり乗り気じゃなかった橋本も、佐藤くんがあの写真について何か知っていることがあるかもしれないと告げた途端、今じゃ佐藤くんに威圧を向けながら旦那になりきってる。


まあ、橋本からもすれば、所属しているタレントに危険が及んでいるとなると黙ってはいられないのだろう。