【続】酔いしれる情緒



「エレベーター来ないね〜」

「…そうだね」



エレベーターがこの階に辿り着くまでの間、私と春は少し話をした。



「何か大切な物でも届いてるの?」

「んー…まあ、ちょっと。」

「………聞かない方がいい?」

「いや、隠すつもりはないよ。
ただ……凛が不安にならないかなと思って」

「私が…?」

「……昨日見せた写真。あれ、ここのポストに入ってたんだ。しかも封筒に名前も何も書かれてなかったし、誰かがここまで直接入れに来てると思う。」

「えっ…」

「だから今日も一応確認。」



エレベーターがようやくこの階にやってきて

私達は中に乗り込んだ。



(誰かがここまで……)



あの写真を、直接。



(一体、誰が、?)



考えても考えても分からない。


その中でもただ1つ理解出来ること



(家が……バレてる)



そう。知られてしまってる。


春………いや、一ノ瀬櫂の居場所を。


人気俳優の家バレなんて絶対に許されない失態だ。



いつ、どこで、知られた?


春が仕事に向かう時は必ず由紀子さんが送り迎えをしているらしい。


そんな由紀子さんの運転技術は
追ってくる車を簡単に撒いてしまう程で。



じゃあ他に考えられることは……あと一つ。