これ以上先に行くと崖があって安全用の柵が立っているけれど、そこまで近寄らなければここは絶景の穴場スポットだ。


「ふふっ、金髪にはなんだか似合わないね」

「うっせぇよ」

「あ、ねぇ。ちょっとそこに座ってみてくれない?」

「は?なんで」

「いーからいーから」


思い付きで芝生の上を指さしたわたしに、メグくんは文句を言いながらもちゃんと座ってくれる。


さっきもそうだけど、意外と素直なとこあるよね、メグくんて。


本人にバレないようにクスクス笑いながら、わたしはその金色の髪に手を伸ばした。


「……はっ、ちょ、何?」

「ふふっ、やっぱり柔らかい」

「おいっ」


わしゃわしゃと撫でてみたり、ツンツンと軽く引っ張ってみたり。


「ずっと触ってみたかったんだよね、この髪」

「だからって……はぁ」


あ、諦めた。

なんて言ったらまた文句を言われそうだから黙っておくけど。