CDショップの前に自転車を停めてカギをかけた。
店内に入り洋楽のコーナーへ行く。
あれ?
Rattて曲名なの?アーティスト名?
とりあえずアーティスト名で探してみようかなぁ…
理佐「Rはどこかなぁ…」
Aから順番に見ていきRまでたどり着くと、
理佐「あ、あったあった!」
理佐「えーとぉ…2枚あるなぁ…」
理佐「どっちがあの曲入ってるんだろ?」
ジャケットを見ても曲名を見てもよくわからない…
しばらく眺めていたがわからなくて、
どっちも3000円以上するので両方買うにはおこづかいが足りない…
理佐「どっちがいいのかなぁ…」
理佐「てか、これで合ってるのかなぁ?」
理佐「もし『ラット』て曲名だったらこれじゃないし…」
もうかれこれ15分ほどは2枚のCDを持ったまま悩んでいたと思う。
すると後ろから…
「黒い服のほうがファーストだよ」
と、話しかけられた。
店員さんかな?と思い私は返事をしながら…
理佐「あ、そうなんですか…」
と、振り返ると…
理佐「えぇっ!!!!」
そこにはギターケースを肩にかけた彼が立っていた!!
義雄「あ、ごめん…びっくりさせちゃった?」
理佐「え、あ…いえ…あのぉ………」
義雄「買うの?」
理佐「あ、いやぁ…迷って…るんです…けどぉ…」
と、口ごもって言うと彼は…
義雄「オレ持ってるから貸してあげようか?」
と、言った。
理佐「え!? い、いいの?♪」
と、私が言うと…
義雄「うん、両方持ってるしいいよ」
と、言ってくれた。
理佐「え♪ 嬉しい♪」
理佐「どうしたらいい?」
義雄「えっとぉ…音楽で一緒の………」
理佐「あ、私…理佐!渡邉理佐です!♪」
義雄「あ、渡邉…さんて言うんだ」
義雄「渡り廊下で本読んで…る…よね?」
理佐「あ、うん…」
理佐「え!? 何で知ってるの?」
義雄「今日も読んでたでしょ?」
義雄「本好きなの?」
理佐「うん…図書委員もやってるから…」
義雄「でもあそこじゃ軽音の音がうるさくない?」
理佐「あ、うん…大丈夫、入り込んでるから」
義雄「へぇ~、そうなんだ…」
義雄「オレ、活字読んでるとすぐ眠くなっちゃうよ」
理佐「それは読み慣れてないからじゃない?」
理佐「慣れて内容に興味が持てれば大丈夫だよ」
義雄「そうかなぁ~?」
理佐「あ、じゃあCDのお礼に私がお薦めの本貸してあげるね」
義雄「あ、ホントに? 嬉しいなぁ」
義雄「じゃあ明日学校に持って来るよ」
理佐「うん、私も持って来る」
義雄「じゃあ……放課後に渡り廊下のところで、てのはどう?」
理佐「あ、うん…それがいいかも♪」
義雄「じゃあオレそれの新譜予約してるからレジでもらってくる」
義雄「ちょっと待ってて」
と、言って彼はレジへ向かった。
第七話へつづく…