肩が触れ合うくらい近い距離で歩く千輝くんが口を開いた。 距離が近すぎるせいで、声が大きくなくても雨に消えることはない。 「俺は、遥乃を困らせたいわけじゃない。傷つけたくもない」 その声色は、何も嘘を言っていない。 私の歩幅に合わせて歩いてくれている、昔から変わらないね。 千輝くんはいつも優しかった。私に嫌な思いなんて決してさせなかった。 千輝くんはいつだって、私のヒーローみたいだった。