家の前、隣に立つ君を見上げる。



包み込んでくれるような優しい笑顔に私はすぐに泣きそうになってしまう。

薬指がきらりと光る左手で、君の手を握れば。




「……大丈夫、遥乃」


「うん、」


「絶対一人にしないから」



私から握った手がぎゅっと握り返される。

好きでたまらない、この温もりは絶対離したくない。



千輝の手がインターホンに伸びる。

あの頃、見上げて背伸びしなきゃ届かなかったインターホンももう目の前にある。




_____きっと、大丈夫。

私はこの人がいる限り無敵だ。きっとこれから、ずっとずっと。




だって私はもうすでに、何年も、何十年も。




君に溺れ続けているから。これからも、ずっと。







-fin-