絶対に私より早く教室にいる。
おはようもなく、話しかけてきた内容もいつも通り。
私に言うように、だけど一人で呟くように、
私は彼の方に、控えめに視線を向ける。
優しく微笑む彼が、顔だけこちらに向けている。
その表情が優しすぎて、一瞬ドキっと音がした気がしたけど、これは何に対する感情なのか、わからない。
わからないけど確実に、千輝くんに抱いてるものと同じではない。
いつも、窓から見ている。
私のこと、いつも見てる。
私に興味なんてないでしょ? って、
興味があるのは都合の良さだけでしょ? って、
そんな風に思っていた。
同じ人種だって。私と同じで最低で、救いようがないって思ってた。



