▷ 「……今日は、井上くんだ」 この会話も、彼とはもう何回しただろうか。 もちろん私は今日、千輝くんと一緒に登校してきた。 何時に出るか言ってないのに、私がエレベーターで降りた時にはもうエントランスに千輝くんがいた。 学校まで歩く道は他愛のない話をしてあっという間で、教室の前で別れて。 教室に入って自分の席につけば、もうすでに隣の席の人は当たり前に着席していた。