甘く、溶ける、君に。







「……今日は、井上くんだ」



この会話も、彼とはもう何回しただろうか。


もちろん私は今日、千輝くんと一緒に登校してきた。

何時に出るか言ってないのに、私がエレベーターで降りた時にはもうエントランスに千輝くんがいた。



学校まで歩く道は他愛のない話をしてあっという間で、教室の前で別れて。



教室に入って自分の席につけば、もうすでに隣の席の人は当たり前に着席していた。