田邊からはいま私と、その後ろの窓に映る外しか見えていないだろうけど、私は田邊の後ろから刺さるような女子の視線を感じる。 ……まぁ、こんなのも慣れたもの。どーだっていいけど。 「しょうがないよ、田邊モテるし」 「遥乃の方がモテるくせに。つか俺別に女だったら拒否らねぇし。どこに不満があるのやら」 「私が不満なんでしょ、多分」 わかってるよ、そんなの。 女子にとって私みたいなタイプが一番敵なんだから。