甘く、溶ける、君に。



ちらりと見ると表情までは見えないけど、こちらを向いていて、向けた視線がばっちりと交錯した気がする。視線が絡まったように。



ぱっとスクリーンに映った明るい光で田邊の顔が照らされて、気のせいではなく目が合っていたことがわかる。



そしてやっぱり何か企んでいるかのように意地悪に笑っていて、こちらを見ていた。


意地悪く笑っているのにどこか甘さを含んでいる、そんな笑み。




「……こっち、見ないで」