甘く、溶ける、君に。




その笑顔が、暗くてよくわからないにもかかわらず作り物なんかじゃないことがわかって。


私も自然と笑顔になる。

この顔が千輝くんに見えてるかはわからないけど、楽しい気分にさせてくれる。


もっと、女の子らしくて可愛い料理の話ができたらよかったけど。



「今度また、夜飯食いに行っていい?」


「……うん、いいよ」



嫌だ、とか絶対言えなかった。


そもそも嫌なわけではない。

千輝くんは私の作るご飯を美味しそうに食べてくれて、
一緒に食べるご飯は私も美味しく感じるからすごく好きな時間。


だけど千輝くんと関わることを、自分から断れない。

また、千輝くんと過ごす楽しい時間を約束してしまった。こんなんじゃ一生、好きがなくならない。



なくそうって思ってるのに、全部が矛盾して動く。