声にして、口に出して、自分の声が耳に届いてからようやくハッとした。
私、何を口走ってるの。いま、理性飛んでた?
おかしい、おかしい、こんなのおかしい。
見れないよ。千輝くんの顔、見れない。
何か反応が返ってくる前に我に返ってよかった。
伝わるかわからないけど、全力で弁明する。
身体は火照ったまま、だけど脳だけ冷静になったみたいで。
「いまの!全部嘘!忘れて……!」
恥ずかしくて千輝くんの顔なんて見れやしない。
多分真っ赤で、伏せて言うなんて説得力がないにも程がある。
触れられていたところも離されて、自由になる。
熱を持った身体は疼いて、どうにかなおしてほしいけどそんなの千輝くんにさせられない。
恥ずかしい。恥ずかしい。
でも千輝くんがどんな顔してるのか気になってしまって……ちらりと見上げた。それがダメだった。見なきゃよかった。



