一歩、近づく。
距離が近づく。
千輝くんの大きな手が、私の肩に触れる。
それだけでぴくりと反応してしまうのは、これも癖になってるの?
それともこれは、癖ではない?
もう一方の手で触れる。私に触れる。
「……どうしたら女が喜ぶか……気持ちいいか、知ってる」
はじめに、唇に触れる。
そのあと頬に触れて、耳に触れて、次は首筋に触れる。
そのたび私は変に反応してしまって、こんなの煽ってると言われても仕方がない。
反応する身体と、漏れてしまう声。
……でもだって、触れているのが千輝くんっていうだけでこんなにも身体が疼く。
ぜんぶ、委ねたくなってしまう。



