「……あ、」



いつも通り、早めの登校。

朝練のある子はもちろん今は部活中で、そうでない子はギリギリ登校してくることも多い。あまり人のいない、朝早くの学校。


校舎が違う先輩とはちょっと前にわかれて、特に何か考えるでもなく廊下を歩いていた。


ふと、目の前から歩いてくる人物が目に入る。

その人物を捉えたら、勝手に足が止まった。間違えるはずのない、そのシルエット。


相手も私に気付いて、少しだけ近づいた。