甘く、溶ける、君に。




「イケメン転校生、とかなんとか。早いね、転校生になんて」



なんだか同じようなニュアンス、朝にも聞いたかもしれない。

確かに何も知らなければ早すぎる。
男に目がなさすぎるよ、男好きも拗らせすぎだ。



「詳しいですね、そんなに広まってるんですか?」


「んー、まぁ俺んとこにもわざわざ遥乃の近況伝えにくる女がいるからね、わかるでしょ?」


「あー……理解しました。……幼なじみなんですよ、千輝くん」



大方、"またあの女遊んでるよ!"って感じで先輩に告げ口して振り向いてもらいたい魂胆だろう。


そういう手は全く通じないって、先輩のこと好きならわかりもするんじゃないのかな。

残念だなぁ、私と先輩はそもそも遊び遊ばれの関係だっていうのに。