まさかうちの高校の生徒だったなんて…。
どう返してやろかと悩んでいると、後ろから「おーい」と知らない声が聞こえてきた。
「悪原、なにしてんの〜って、うわっ!芽梨ちゃんじゃん…!?」
目の前の性悪男を「悪原」と呼んだ彼は、私を見るなり目を見開いて驚く。
そうだよ、そうこなくっちゃ。
「わ、芽梨のこと知ってくれてるの?嬉しい!」
いつもの反応が帰ってきたから、私もそれに応えて表情を作る。
「え、知らない奴いないでしょ…!だって芽梨ちゃんちょー可愛いもん!」
知らない奴いないでしょ!だなんて、嬉しいお言葉もらっちゃった。
「なぁ、悪原」
「そうだね、有名だと思う」
急に声色を変えて笑顔になる性悪男にびっくり。
何この人、二重人格か何かなの?
さっきとまるで態度が違う。
「そっかぁ!でも、一応自己紹介しとくね?」
初めてリアル二重人格に出会って驚いたけど、とにかく今はお話に集中だ。
「2年A組仁科芽梨です…!えっと…?」
「あ、俺は朝比奈春輝で、こっちが悪原千景。2年E組だから、なかなか会うことないよな」



