悪原くんは堕ちてくれない


もっと質問攻めにあうかと思ってたけど、すっかり拍子抜けしちゃう。



「…なーんか、ヘンな感じ」



「なにが変なの?」



りっちゃんはきょとんとした顔で私を見つめる。



うん、やっぱりりっちゃんは癒し。可愛い。



「んーん、なんでもないっ。そいえば、りっちゃん今日傘持ってきた?」



「え、今日雨降るの?うそぉ、忘れた〜!」



どうしよう!って困り出すりっちゃんを見て、スクバに手を突っ込んだ。



「お天気おねーさんが言ってたから、もしかしたら降るかもなんだよね。私の貸そっか?」



「え…いいの?そしたらめーちゃんは…」



「大丈夫!予備があるからね」



「ありがとうめーちゃんっ!大好き!」



「えへへっ、私も〜」



……なーんてね?嘘だけど。



予備の傘はないけど、そんなの無粋。



こんな雨予報の日に、傘なんて野暮なものはいらないんだよ。



持ってきたのは、絶対天気予報を見忘れるりっちゃんに貸すためだからね。



りっちゃんには悪いけど、誰にも内緒。



この作戦は、極秘任務だもん。







「…お待たせ、芽梨。一緒に帰ろ」



「うん、迎えに来てくれてありがとっ」



そんなこんなでやってきた放課後。



りっちゃんは今日も今日とて愛しの彼氏、しょーたくんと待ち合わせ。