悪原くんは堕ちてくれない


これが正しいやり方かと言われたらわかんないけど。



「でも…どんな人といても私は私だから。これからもよろしくね?」



むごいとか酷いとか、言われる筋合いはないよ。



心はズキズキ。



ヒビが入って割れちゃいそう。



だけど芽梨は、芽梨を貫く。



「…うん、そりゃそうだ。芽梨ちゃんは芽梨ちゃんっしょ?悪原と付き合ってても、俺もどんどん話しかけるから!」



「っ…うん!芽梨だってはるくんに声かけちゃうからねっ」



そしたらほら、自然とはるくんがぶつかってきてくれた。



ふふん、悪原くんに頼らなくたって万事解決!



気まずい空気もなんのその。



芽梨にかかれば、全人類平和計画も夢じゃない…なんてね?



それはちょっと言い過ぎだけど、これではるくんも私に対してストップかかるはず。



───キーンコーンカーンコーン



ちょうどいいタイミングで予鈴が鳴り、悪原くんが立ち上がった。



「…じゃ、そろそろ教室帰るよ。放課後迎えに来るから。朝比奈、行こう」



「あ、うん。じゃ、芽梨ちゃんまたね!」



「ばいばーい」



2人に手を振りながら、ちらりと周囲を見回す。



あんなに私たちのことを凝視していたのに、もう知らんぷり。