悪原くんは堕ちてくれない



「…それは嬉しいな。芽梨も、そこまで必死になってたんだね?ほんと、可愛すぎて困っちゃうな」



「〜〜っ!!」



言ってて恥ずかしくないの?!と思うくらい甘々な言葉に、本心じゃないとわかっていても顔に熱を持ってしまう。



それを遠くからみていた人たち…主に女子は、声にならない悲鳴を上げて悶絶していた。



男子たちは私と同じように顔を真っ赤にしている。



…そして、そこに見知った顔がいた。



「………え?」



何が起こっているのか分からない。



そんな顔でこちらを凝視していたのは、なんとはるくん。



口をぽかんと空けて放心状態だ。



……とても気まずい、けども。



「はるくん…だよね?おはよ〜」



いつもより控えめテンションで声をかけると、はるくんはハッとして苦笑いを返してこちらに歩き出した。



「おはよう芽梨ちゃん…と、悪原。えっと…これ、どういう状況…?」



自分で蒔いた種なんだから、自分で片をつける。



これ、大事でしょ?



「あのね、はるくん」



口角キュッと、にっこり笑顔。



「悪原くんに告白されて付き合うことになったの。いきなりだったから、周りも驚いちゃってるみたい」