悪原くんは堕ちてくれない


今は私の教室で例の宿題を写しながら教えてもらってるところ。



他のクラスから私たちの噂を聞き付けたのか、廊下にギャラリーが多い。



うんうん、作戦どーり。



「…おい、早く写せ。お前に教えても時間のムダ」



「えー?」



こそっと耳打ちしてきた悪原くんに、口を尖らせる。



「そりゃ私覚え悪いけどさ、悪原くんにも問題アリだと思うよ」



わかるように教えてくれなきゃ意味ないもん。



…なんて言ってみるけど、悪原くんの教え方ちょー上手いの。



先生よりわかりやすい。



将来は先生目指した方がいいと思う。



だからかな。



「…今別れてやってもいいんだけど?」



悪原くんの青筋がビキビキに立ってるように見えるよ。



「ご、ごめんね悪原くん。芽梨、頭悪くて…えへへっ」



ちょっと悪原くんの顔が見れなくて視線を逸らすと、私たちを不思議そうに見つめていたりっちゃんを発見した。



「あっ、りっちゃんおはよー!」



りっちゃんに助けを求めるがごとく呼ぶと、こっちに来てくれた。



救世主(メシア)登場。



「めーちゃんおはよう〜。珍しい人と一緒だね?」