悪原くんは堕ちてくれない



ほんと失礼しちゃう!



「“まだ”って言うより、出来なかっただけだから!その辺、勘違いしないで」



私に問題があるわけじゃない。



私に寄ってくる人達がいけなかったんだから。



「どーだか。そのセーターだって、俺に気づいて欲しくて買ったんだろ」



「っ!そ、それの何が…!」



それの何がいけないのよ。



本当はもっと上手くやる予定だった。



せっかく可愛いセーター着て、可愛いポーズで悪原くんのハートを射貫くつもりだったのに。



もう悔しくて悔しくてどうにかなりそうなのに、まだ続けた悪原くん。



「そんなんで俺がドキッとくるとでも?だとしたら勉強不足だな。生憎、お前みたいな派手女は嫌いなんだ」



「…は、ははっ…」



それを聞いた瞬間、私の気分はどん底。



ここまでハッキリ“嫌い”と言われたことは、今までの人生で一度もない。



しかも、自分が落としたい相手に言われた。



自分が丸ごと否定されたようで、ふつふつと怒りが込み上げてくる。



「…そう。なら、悪原くん好みの女になってあげるよ。今その言葉を聞けてよかった。改善の余地があるもんね」