悪原くんは堕ちてくれない


少し残念そうな顔をした顔見知りの横を通り過ぎて、早足ではるくんの元に行く。



「月曜日ぶりだねっ!元気してた?」



そう言って笑うと、ほんのり頬を赤く染めるはるくん。



「俺は元気が取り柄だからね。風邪もめったにひかないよ?」



「わ、芽梨といっしょ!芽梨もね、ぜんぜん風邪引かないんだ」



「お、芽梨ちゃんとの共通点みっけ!めっちゃ嬉しいんだけど」



元気が取り柄っていうのも風邪引かないのも、共通点って言うの?



わかんないけど、はるくんが嬉しそうだから黙っとこ。



「で、どうしたの?芽梨ちゃんが声掛けてくれたのは嬉しいけど…。アレだろ?悪原探してんだよね?」



さっきまで尻尾をふっている犬みたいだったのに、シュンとしてしまったはるくんの顔はなかなか痛々しいもので。



「…ううん、違うよ?はるくん見つけたから、お話しよーと思って」



つい口走って、思ってもいないことを言ってしまった。



「っ、ほんと?なにそれ、めっちゃ嬉しい」



今度は「ボンッ」と効果音がつきそうなくらい真っ赤な顔をして、口元がニヤけ気味だ。



ま、まずいかも…。