悪原くんは堕ちてくれない


とりあえずE組に向かおうとしたら、顔見知りの男子と目が合った。



会釈の代わりにニコって笑ったら、なんかこっちに近づいてきちゃったみたい。



今急いでるんだけどな。



でも無視するわけにもいかない。



「芽梨ちゃん、そのセーター新しくない?初めて見た」



私を見るなりそう声をかけてきて、ちょっと引いたよね。



そんなに私のこと見てるんかいって。



「そーなの!おニューなんだ〜!可愛い?」



でもそーゆーのは思っても口に出さないよ。



「芽梨ちゃんに似合わない服とかないっしょ」



「あははっ、大袈裟〜。ありがとっ」



うう、可愛いって罪だ。



これじゃ悪原くん帰っちゃう!


と焦っていたら、はるくんを発見。



ちょうどいいところにいる!



「はーるーくーん!ストーップ!!」



「えっ、俺?って、芽梨ちゃん!!」



名前を呼ばれたはるくんは一瞬困惑した後、すぐこちらに気がついてくれた。



「…というわけで、私用があるから行くね?ばいばーい」



「あ、あぁうん。またねー」