悪原くんは堕ちてくれない


苦い思いをした月曜日。



あんな思いはもう一生したくない。



いや、そりゃそうなんだけど。



ほら、私…初恋もまだなんだよ。



恋多き女、とかでは一切ないの。



だって、みんな芽梨の容姿しか見てこない。



それに、本当の仁科芽梨を知ったら…。



性格悪いとかなんだとかいちゃもんつけて、ヘンな理由ばっか言って。



そんな未来がいとも簡単に想像がつく。



だから誰かに『本気の恋』ってのをしたことない。



アピールだとかも、男の子たちからはあるけど自分からは全く。



いわば恋愛初心者なのです。



笑っちゃうよね?



でも、諦めないもん。



一度やるって決めたら、最後まで突き通す。



それが私だからね。



ってことで。



「じゃじゃーん!どーだ、このセーター!」



「めーちゃんのためだけに作られたみたいにピッタリで可愛い〜!」



「でしょでしょー?」



昨日バイト帰りに買ってきたピンクのセーターを、りっちゃんの前でお披露目する。



りっちゃんぱちぱちと拍手をして褒めてくれた。



やっぱりセンスいいなぁ私。