悪原くんは堕ちてくれない


「ねーりっちゃん、私って可愛い?」



「めーちゃんは可愛いの罪で逮捕されちゃうくらい可愛いから安心して?この私が保証する」



「りっちゃんも可愛いよ〜!大好きっ…!」



「私も…!!」



なんて会話してるんだと思ったそこのあなた。



私もそう思うけど、りっちゃんには内緒だよ?



めーちゃんこと仁科芽梨はこの私。



りっちゃんっていうのは、私の大親友小宮律子。



今私たちは新作の化粧品を買うため、日曜日に都内の百貨店に来ている。



お目当ての新作は無事ゲットしたから、ついでに色々見てるところ。



ほら、化粧品売り場って鏡がいっぱいあるでしょ?



だからね、ついつい見入っちゃう。



何をって?



そんな決まりきったこと言わせないで欲しい。



“私の顔”に決まってるじゃん。



「めーちゃん、ちょっとあそこ見てきていい?」



「うんいいよー。行っておいで?」



「やった」



とりあえずりっちゃんと別れて、それぞれ見て回ることになった。



そうそう、さっきの話の続きに戻るけど…。



冗談じゃなくて、ホントの話なんだよ。



だって、私すっごく可愛いんだから。