星の降る夜、音のない世界で、君の声を

「えっと……俺は、高橋瞬(たかはししゅん)。しゅんは、一瞬の瞬。……本が、そんなボロボロになるほど星好きなんだ?」

「え?あ、うん。……私は、戸田(とだ)あみ。あみは、平仮名……」

「そっか……良かった。ここに置いておこうか迷ったけど、大事なものだと思ったから」


ーーーー何だろう。

昨日は、あんなに()な奴だと思ってたのに、今日はなんだかわからないけど、彼に対して、嫌な気持ちは沸かなかったし、心なしか彼の態度も柔和な気がした。

「俺も星、好きなんだよね」

両手を腰に当てて、唇の端を持ち上げながら、夜空を見上げる瞬に、私はやっぱり見惚(みと)れてしまった。

昨日は座っていてわからなかったけど、背が高い。視線をこちらに戻すと、彼は、少し言いにくそうに口を開いた。