この嘘に、ピリオドを

子どものようにしゃくり上げて泣いてしまう。総司がそっと近付き、ハンカチを差し出してきた。だが、それを受け取る気はない。

「大丈夫ですか?」

「……大丈夫です」

涙を乱暴に手で拭う。泣いているところを総司に見られるのは嫌だった。慰められるのはもっと嫌だと感じた。

(私が、素直に泣こうと思えるのはーーー)

浮かんだのはもちろんジョンの顔だ。だが、それを口にすることは許されない。

「さあ、車を止めてあるから行こう」

何事もなかったかのように父が言う。総司が差し出した手は無視し、心春は真っ赤に目を腫らしたまま外へと出た。



父が運転する車は大きな宝石店へと着いた。中に一歩足を踏み入れれば、そこにはたくさんの宝石の入ったネックレスや指輪が並んでいる。

動物を傷付けてしまうため、島にいた頃は指輪もネックレスもつけたことがなかった。だが、もともとアクセサリーに興味のなかった心春はちっとも気にしていなかった。