この嘘に、ピリオドを

ドアを勢いよく開けて入って来たのは、父と母だった。二人の顔はまるで般若のようで、激しく怒っていることがわかる。

「急に何?それに出かけるってどこに?」

心春がベッドの上から降りると、母が「結婚式場の下見と結婚指輪を買いに行くのよ!」と言い、持っていた紙袋の中から緑のワンピースを取り出す。レースのついたワンピースはブランド物のようだ。

「あなた、まともな服を持っていないから買ってきてあげたのよ。さあ、着替えなさい」

母がそう言い、ワンピースを差し出してくる。どこまでも支配をするつもりなのだ。心春の心の中に嫌悪感が募っていく。

「着ない!着ないわ!私、結婚式場の下見にも指輪を買いにも行かない!」

「お前はどれだけわがままを言えば気が済まんだ!!」

父に怒鳴り付けられ、胸ぐらを掴まれる。殴られるのではと心春は強く目を閉じた。それと同時に涙が溢れていく。

(ジョンさんたちと過ごした日々に、暴力なんてなかった……)