この嘘に、ピリオドを

心春の中で、総司の存在は「親が無理矢理用意した結婚相手」だ。仲良くしようという気持ちはなく、むしろすぐに別居したいくらいだ。

(それに、私が好きなのはーーー)

与えられた部屋に飾った写真を心春はジッと見つめる。そこには、あの島で働いている全員で撮った集合写真があった。そこに映っているジョンを指で優しく撫で、心春はため息を吐いた。

「……ジョンさん……」

同棲生活を始めてから、心春は一日のほとんどのこの部屋の中で暮らしている。総司と顔を合わせないためだ。だが、家事をしないわけにもいかず、総司がいない間に済ませておく。総司の仕事が非番の日には、トイレに行く以外はずっと部屋に籠っている。

『結婚式場はどこにしたんだ?ちゃんと仲良くしているのか?』

『指輪は選んだの?ちゃんと総司くんに料理を作ってるんでしょうね?』

両親からは毎日このようなメールが届いているものの、返信はしていない。今日も届いたメールを無視し、心春はスマホをテーブルの上に置く。