「こんな娘だが、前向きに考えてくれると嬉しいよ」
降谷管理官はそう言い、妻と心春を連れて去って行く。心春は総司の方を振り返ることはなかった。ただ、その後ろ姿からは悲しみを漂わせていた。
(突然日本で暮らすことが決まって戸惑っているのかな)
動物学者の元で働いていたと降谷管理官からは聞いている。動物たちと離れることになり、そのため泣きそうになっているのかもしれない。
(そういえば、動物が小さい頃から春ちゃんは好きだったからな……)
結婚したら犬か猫を新しい家族として迎え入れようと総司は決めた。大好きな動物に触れたらあの日のように笑ってくれるのでは、そう想像を膨らませていた総司だったが、母が「ねえ」と声をかけてくる。
「心春さん、このお見合いに乗り気じゃないんじゃないの?あなたのことを一度も見ようとしなかったし、一度も笑わなかったわよ。……本当に結婚する気なの?」
「何言ってるんだ、母さん。降谷さんが緊張していると言っていたじゃないか。本心はきっと違うだろう」
降谷管理官はそう言い、妻と心春を連れて去って行く。心春は総司の方を振り返ることはなかった。ただ、その後ろ姿からは悲しみを漂わせていた。
(突然日本で暮らすことが決まって戸惑っているのかな)
動物学者の元で働いていたと降谷管理官からは聞いている。動物たちと離れることになり、そのため泣きそうになっているのかもしれない。
(そういえば、動物が小さい頃から春ちゃんは好きだったからな……)
結婚したら犬か猫を新しい家族として迎え入れようと総司は決めた。大好きな動物に触れたらあの日のように笑ってくれるのでは、そう想像を膨らませていた総司だったが、母が「ねえ」と声をかけてくる。
「心春さん、このお見合いに乗り気じゃないんじゃないの?あなたのことを一度も見ようとしなかったし、一度も笑わなかったわよ。……本当に結婚する気なの?」
「何言ってるんだ、母さん。降谷さんが緊張していると言っていたじゃないか。本心はきっと違うだろう」


