「っ、沙雪!」
「…てん…ま、ごめ…っ」
みんなで急いで駆け寄ると、次第に沙雪先生が肩で呼吸をし始めたのが分かった。
「沙雪、お腹痛いの!?っ……産まれそうなの…!?」
やっと見えたのは歪んでいく表情。
沙雪先生が首を縦に振った。
「ほ、保健の大山ちゃん呼ぼうぜ!オレ行って…、」
「待って桐生!今日、大山先生はお休みのはずよ…っ。学園長室も不在の札がかかってたわ!」
「オイオイ!ウソだろ!?」
「こんな時に嘘つかないわよ!」
トゥインクルルームは学園長室の隣にあるけれど、職員室からは少し距離がある。
しかも保健の先生がお休みと分かり、一気に焦りの色が見え始めた。
それと同時にどんどん息が上がっていく沙雪先生。顔色も悪くなっているように見える。
産休前の陣痛。きっと、何かしらの危険が伴うに違いない…っ。