「以上でホームルームを終わります。みんな、今日も一日がんばってね!」



明るくて弾んだソプラノボイスが、まるで朝の始まりに華を添えているようだ。

沙雪先生の笑顔を見ると元気になるのは、クラス全員がそうだと思う。



「行動のトゥインクル、誰になるんだろうねー?」

「学園長もう発表したらいいのにな!俺、自分かと思うと夜しか眠れねぇわ!」

「お前は無い」

「しかもしっかり寝てんじゃねぇか」



近くで繰り広げられる会話に、自然と背筋が伸びる。

…学園長先生は別に隠さなくて良いと言っていたけれど、わたしは華乃ちゃんだけにひっそりとトゥインクルメンバーになったことを報告した。


そして華乃ちゃんも、学園集会まで誰にも言わないと言ってくれた。


秘密によって胸の鼓動が速くなる不思議な感覚を抱え、そっと長い息を吐く。



「……え、」



――…その瞬間、まさに一瞬だった。

横を通った神村くんが、わたしが無意識に両ひざに置いていた手に触れ、にこっと笑って通り過ぎる。


それから席に座ると、人差し指を唇に置いて微笑む。

急いで周りを見るけれど、誰も気づいていないようだった。


――…“俺たちだけしか知らないことだね”って、言われている気がした。


(…心臓、うるさ…っ)



こんなの

…こんなの。


ドキドキするに決まってるじゃない…!