「菜咲ー、準備できたー?」
「うん!」
青空の下、華乃ちゃんと一緒に登校する。
あれから数日。華乃ちゃんには、わたしの過去やトゥインクルメンバーに選ばれたことなどをすべて話した。
わたしよりも泣きながら親身になって聞いてくれた華乃ちゃんに、胸がいっぱいになって。ふたりで日ごろの感謝を伝えあったりもした。
「ねぇ菜咲」
「ん?」
「トゥインクルメンバー、応援してるからね!」
「ありがとう!」
自然と笑顔になるのは神村くんのおかげだ。
わたしは今日の6時間目にある学園集会で、トゥインクルメンバーとしてお披露目されることが決まったのだった。
「ねぇ、なんかみんなこっち見てない?」
「…うん。見てる」
華乃ちゃんと校舎内に入り教室まで歩いていると、急に視線を感じ始める。
「待って、私の顔になんかついてる!?歯磨き粉!?」
「いやついてないよ華乃ちゃん!?」
華乃ちゃんが疑って変な動きを始めてしまったので、慌てて止めつつも
「あの子だよね?」
「そう。園枝菜咲ちゃん」
(……わたし…?)
戸惑いを隠せぬまま、教室内を覗いてみると…。