「菜咲ちゃーん!玄関掃除ありがとうねぇ」

「はい!次はどこをやりましょうか」

「菜咲、結構いい時間だけど…」

「え、っもうこんな時間!?」



華乃ちゃんに言われて腕時計を見ると、彼女との約束の登校時間まであと5分。



「菜咲ちゃんもういいから、学校行ってらっしゃい。助かったよ」

「すみません、また機会があったらお手伝いさせてくださいね!華乃ちゃんちょっと待ってて!!」



全速力で部屋に戻り、制服へと着替えたのだった。



「菜咲ちゃん、本当に優しい子だよねぇ」

「はい!菜咲はいつも誰にでも優しくて、自慢の友達なんです」



そんな会話があったことは、全く知らないまま。