「どうしてここに…?」

「…下駄箱に靴あったから、ずっと待ってたんだけど。どこさがしてもいなくて」

「っわたしのこと、さがしてたんですか!?それは申し訳ないです…っ」



綺星くんがわたしの席に近付いてくる。

……さがされていたとは夢にも思っていなかった。メッセージくれても良かったのに…!



「敬語、やめよ?」



むにっ、と。わたしのほっぺたをいきなりつまんだ綺星くん。



「い、いひゃいれす」

「敬語やめてくれたら離す」

「や、やめりゅ…」

「ふはっ!」



…なにこの流れ。

綺星くんにほっぺたつままれちゃった。


…綺星くんに…っ!!!



「もう、綺星くん!人で遊ばないっ」



わたしを見て笑う綺星くんの行動の意図が分からず、恨めし気に見つめてしまう。

…もう、人の気も知らないで…!



「菜咲」

「なに…!」



「――…好き」