(すっかり遅くなっちゃった…!)



話が終わったあと、みんなで幸星フェスティバルの準備に戻った。



2年生はとても順調で、用事がある南斗くんも先に帰って。

わたしも帰ろうと思ったら、備品が行方不明というトラブルがあった。


なんとかさがしてあったけれど、外はもう暗い。

きっと、学校に残っている生徒はわたしで最後なのだろうと思った。



「こういう時、寮生でよかったな。近いし」



華乃ちゃんが心配して連絡をくれていて、もうすぐ帰るねとメッセージを打ちつつカバンに荷物を詰めていた。



「菜咲」

「っ、綺星くん!?」



教室の後ろから声を掛けられ、何事かとめちゃくちゃ驚いてしまっていると、なんと綺星くんの姿があった。