翌日。


“……夢なら、よかった”

“――…綺星、幸星フェスティバルを最後に退学する予定なんだよ。残念だったね”



たくさん考えた。

考えて、考えて、…頭の中がぐちゃぐちゃになった。



好きだと言ってくれた綺星くん。

…でも彼は、夢ならよかったと言った。


それはつまり、現実では違うということなのか。

甘い熱を共有した唇は、彼の中では夢物語になっている。



葉月先輩は言った。

綺星くんが幸星フェスティバルを最後に、退学する予定だと。


綺星くんがいなくなる。そんなの、考えたこともなかった。



「んもう、菜咲ぴん!聞いてるのぉ!?」

「あっごめんなさい!聞いてなかったです…」

「オイオイ菜咲、どうしたァ?寝不足かァ?」

「いえ、大丈夫です!すみませんっ」



いつも通り。

トゥインクルメンバーのみんながいて、笑い合って。


その日々が急に遠くなっていってしまうような、そんな気がした。