「今日はダージリンを淹れましたよ。どうぞ」
「いつもありがとうございます…!」
南斗くんとふたりという、なんだか不思議な組み合わせ。
…いや、誰とふたりになっても不思議な感覚ではあるのだけど。
「気になりますか、綺星のこと」
「…はい」
南斗くんの微笑みは、眉が下がり切っていて。
彼もまた心配しているのだろうと思った。
「わたし、思い切ってメッセージ送ったんですけど、大丈夫なのか分からない大丈夫が返ってきました」
「…綺星は、そういう人です。僕たちの変化はよく気付くのに、自分のことは隠そうとする」
ぽつりと、南斗くんが寂しそうに言った。
「南斗くんたち4人と綺星くんって、幼なじみとか…ですか?」
ずっと気になっていたこと。てっきりそうだとばかり、思っていたことだった。
「いいえ。僕は杏珠とは幼なじみですが、あとの3人とは幸星学園に来て知り合いましたよ」