「なあ叶野からもなんとか言ってやってくれよ」


「えっ、私ですか…?」




急に話を振られてカバンを準備していた手が止まる。




こういう時は大抵嫌な予感がするものだ。


そして……





「そうだ、叶野が面倒見てやってくれ!な!先生これから会議だから!」


「は…!?」





私の嫌な予感は、大抵当たる。





「さんせー。俺ひとりじゃ終わる気しないから」


「え、ちょっと一ノ瀬くんまで…」




「じゃ、頼んだぞ!」


「えぇ…」





まだなにも言ってないのに先生は課題の分厚いプリントの束を私に押し付けて去っていった。


……申し訳ないけど、このあと会議中にお腹でも痛くなってしまえばいいのに。





――そして現在に至る。