目は口ほどに物を言うと言いますが 〜筒抜け騎士様は今日も元気に業務(ストーカー)に励みます〜


◇◇

 ルーカスは、すべて知っている。
 アメリアが気になっている本も、頼んでいたドレスも、今どこにいて何をしているのか、アメリアのすべてを知っている。
 
 だけど、ルーカスは唯一知らない。アメリアが直接目が合った人の心を読めることを……。

 そんなこともつゆ知らず、業務に励むルーカスの脳内ではミニルーカスくんたちが小躍りして祝福の盃を掲げている。


 (我が聖女、アメリアよ。なんと素晴らしく愛らしい容姿に、天使のような優しさ……。貴女は無垢で、関わる度に穢してしまいそうで怖くなる。だが! 彼女自身が! 俺に守られることを嫌がらないと宣った! つまり! それは! 俺に守られたいということ! はぁぁぁぁぁ、このルーカス、貴女が望むならすぐに、いつでもどんな時でも馳せ参じる、アメリアのためだけの専属騎士になるのに。皇帝の犬になっている今の状況は気に食わないが、貴女にならどんな言うことも聞く利口な犬になってみせましょう。……いや、やはり俺は貴女と恋に落ちる騎士がいい。もちろん、貴女のペットとなり、かわいがられたり躾られるのも……あ、いい。ちょっとお馬鹿な犬を演じて、アメリアに「こらー!」と怒られるのもめちゃくちゃいい。普段お淑やかなアメリアだからこそ、躾のときはSになるのもすごくいい。想像しただけで新たな性癖の扉か開きそうだ……。これまで彼女を組み敷くことばかり考えてきたが、逆に妖艶なアメリアに惑わされて上に乗られるというのも…………ぐふっ。これ以上は今はいけない。そんな淫らなこと、彼女はしない! そう厄介オタクのルーカスが主張するが、新たに誕生したMなルーカスが「夜のアメリアも最高じゃないか」と囃し立てる。鎮まれ、清純なアメリアを汚すな。今は落ち着く時だ。……今夜ゆっくり、その妄想の続きをすればいい。)


 ルーカスが真っ昼間からそんなことを考えているなんて思ってもいない街の人々は、今日もルーカスに熱い視線を送っている。