◇◇
それから数日が経ったある日のこと。
アメリアは、アマンダを連れてずらっと出店が並ぶ路地を物色していた。
昨日、遠くの地で仕事に励んでいる兄・ノアから手紙が届いたのだ。
アメリアを溺愛する少し変わった兄は、いつものように長々と妹に会えない辛さを嘆いていたが、すぐに返事を返さなければ次に会った時に引っ付いて離れなくなるだろうことが容易に想像できた。
(便箋が少なくなっていたし、お出掛けしたかったからちょうどよかったわ)
目立たないように下を向いて歩くアメリアは、ここ暫く会っていない兄を思い出してくすっと笑う。
(元気にしているかしら)
多忙のせいか、妹不足のせいか、最後に会ったときは少し窶れていたからそこだけが心配だった。
だけど妹のことになると残念になるだけで、ああ見えて頭は切れるし、要領は良いからきっと大丈夫だろう。
そんなことを考えながら歩いていると、とあるお店の前でアメリアが足を止める。
「お嬢さん、何をお探しで?」
ぱたと足を止めたアメリアに声をかけたのは、雑貨が並ぶお店の店長だ。
指輪やネックレスといったアクセサリーから、便箋やペン、栞といったものまで綺麗に陳列されている。
