目は口ほどに物を言うと言いますが 〜筒抜け騎士様は今日も元気に業務(ストーカー)に励みます〜


 ◇◇

 (死ッッ!)

 背を向けたルーカスは、間近で見るアメリアの威力に死にかけていた。

 しかし、長年培ってきたポーカーフェイスを崩すことなく、街の人たちの賞賛の声を一身に受けている。


 「さすが騎士様だわ」
 「ルーカス様って、寡黙でかっこいいわね」


 ただ、本人に聞こえるように囁かれた声は、天に召されるかのような気分を味わっているルーカスの耳には残念ながら全く入っていなかった。


 (ははははははじめてはなしてしまった……! あの愛し子に触れてしまった……!毎日のように夢見てた、アメリアの目に映ることを。こんなにも騎士でよかったと思ったことはない。今なら何百人が束になって襲ってきても返り討ちにできるぐらい、パワーが漲っているのが自分でもわかる。貴女はどんな匂いで、どんな感触がして、俺に対してどんな風な態度をとるのだろう。そんなことをずっと考えてた。柔らかな優しい春の香り、筋肉隆々な自分とは全く違う、触れたらすぐに折れてしまいそうな華奢な身体。きっと、彼女が歩くだけで花が咲き、爽やかな風が吹き、世界が幸福に包まれるのだ。…………嗚呼、思い出すだけで興奮して、今夜は眠れそうにない。我が愛しきひとよ、これからも永遠に私は貴女だけの騎士で在り続けます。)