「あ、ありがとうございます」
安全な道の端で降ろされて、ハッと我に返ったアメリアは慌ててお礼を言う。
すると、ルーカスは白魚のような手を取って、服が汚れるのも気にせず、その場に跪いた。
「騎士として、貴女をお守りするのは当然です。怪我はありませんか?」
異性にこんな風に扱われるなんて、初めてだ。
レザーグローブ越しに手の震えが伝わっていないか、気になってしまう。
ドキドキ、胸の高鳴りは止まる気配がない。
アメリアが小さく頷くと、ルーカスは「よかった」と心底安心したように呟いた。
(今日初めてお会いしたのに……)
なんとなく昔から知っているような、そんな不思議な感覚がある。
もしかすると、気づいていないだけですれ違ったことがあるのかもしれない。
どこかでお会いしたかしら。
アメリアが記憶を辿っていると、ルーカスはそれを遮るように声をかけた。
